【上田地域の貴重な地方鉄道】市民の足&観光の足として残していきたい上田電鉄別所線の魅力をご紹介
文:サポーターAkiさん
令和元年に起こった台風19号災害を覚えていますか?
いつもは穏やかな千曲川に大量の水が押し寄せ、上田の象徴的な「赤い橋」が流されてしまったあの大きな災害…。
あの「赤い橋」を通る鉄道が、上田電鉄の別所線です。
かつて私も会社員時代は、別所線に乗って毎日通勤していました。
そんな市民の足であり、観光の足でもある別所線の魅力をご紹介します。
日本遺産「塩田平」につながる地方鉄道
別所線はJ Rやしなの鉄道も発着する上田駅〜、温泉地として有名な別所温泉駅までを繋いでいます。
途中には「生島足島神社」で有名な下之郷駅を通過、ぐるーっと塩田平をまわって別所温泉に向かいます。
昔ながらのレトロな駅舎もたくさん残る地方鉄道は、休日になると「撮り鉄」の皆さんもよく見かける、隠れた人気スポットです。
別所線のちょうど中間地点の下之郷駅を降りると、生島足島神社へは徒歩5分程度。駅舎は神社をイメージできるデザインになっています。
八木沢駅は「写真映えスポット」として有名
下之郷駅を過ぎて、ひたすら田園風景と住宅街を抜けていくと「八木沢駅」があります。
正直、まわりに観光スポットはありませんが、駅舎がとてもステキなたたずまいなので、ぜひじっくり見ていただきたいところ。
ミントがかったグリーンの駅舎は別所温泉駅に似ていますが、待合のベンチがとっても可愛らしくて、つい写真が撮りたくなってしまうようなスポットです。
別所線は本数が少ないので、駅で少し待ち時間がかかってしまうのが難点。ですが、次の電車までの時間を利用して記念写真の撮影をしていれば、あっという間に次の電車が来てしまうかもしれません。
近くに踏切があるので、渡って線路の反対側から全景を見てみるのもおすすめです。
別所温泉駅にはかつての「丸窓電車」にも会える
終着駅の別所温泉駅では、昭和3年ごろ〜61年まで実際に走っていた「丸窓電車」の展示を見ることができます。
ちなみに現在でも丸窓デザインの電車は走っています。別所線の他の車両に比べると、中もずいぶんレトロな雰囲気なので、乗ることor見ることができたらラッキーかもしれません。
別所温泉駅の駅舎も、八木沢駅と同じ特徴的なグリーンです。少しタイムスリップしたような気分になれるスポットですよ。
別所温泉駅を出ると、駅舎の全景と、電車の発着の様子を見渡せるので、ぜひ温泉街歩きの時は振り返って見てみてくださいね。
最近、「あいそめ夫婦道祖神」というシンボルも誕生したので、縁結びや夫婦円満の願掛けにもぜひ。
みんなで別所線に乗ろう!
現在は上田駅から別所温泉駅までの1つの路線しかない上田電鉄ですが、かつて昔は他にも路線がありました。しかし利用客の減少や経営の維持などの問題から廃線に…。
50年ほど前は、上田城のお堀にも電車が走っていたそうです。
どうしても車が便利で、つい車で移動してしまいがちな私が言うのもアレですが、子育てをしていると電車にお世話になる場面が必ずあります。
そんなとき、地域の鉄道は本当に助かる存在であることは間違いありません。沿線近くには、高校や短大、大学もあり、子どもたちの通学の足になっています。
ぜひ上田に来たら、電車に乗って塩田平の風景を眺めながら、別所温泉に出かけてみてくださいね。
いつまでも電車が走り続ける地域でありますよう、別所線に乗って応援しましょう。