上田の「hyva sauna」から広がる、出会いと居場所(サポーター:ぼんさん)

2023年1月11日、長野県上田市にてプライベートサウナ「hyva sauna(ヒュヴァ サウナ)」の運営がスタートしました。
この日をきっかけに、私の暮らしも価値観も、大きく変わっていきました。
サウナは「ととのう」だけじゃない
いまや「サウナ」といえば、「ととのう」という言葉がすっかり定着しました。
けれど、私にとってのサウナは、もっと深くて、もっと人間的なもの。
サウナは、人々のストレスをやわらげ、心と身体の緊張をほぐす“潤滑油”のような存在です。
さらに、人と人とのあいだに温かなつながりを生み出す“接着剤”のような役割も果たしていると感じています。
日々サウナを運営するなかで、サウナの持つ力を強く実感しています。
「hyva sauna」に込めた思い
「hyva sauna」の「hyva(ヒュヴァ)」は、フィンランド語で「良い」「いいね」を意味する言葉。サウナに入った後、自然と「いいね」と言いたくなる——
自分に対しても、周りの人に対しても、そして今日という日に対しても。
そんな気持ちがふわっと湧き上がるような体験を届けたいという思いから、このサウナは生まれました。
「自己肯定感」という言葉が広まりつつある今、サウナがその土台をやさしく支えるような場所になれたら。そう願いながら、日々サウナづくりに取り組んでいます。
地域のリビングとしてのサウナ
構想を練りはじめた当初から、私の頭の中には「地域のリビングのようなサウナをつくりたい」というイメージがありました。サウナの本場・フィンランドでは、サウナは自然とのつながりを取り戻す場所であり、神聖な空間であり、そして社交の場でもあります。
もちろん、静かに黙って汗をかくサウナも素敵ですが、私はそこに人と人との対話や交流が生まれる可能性を感じていました。
だからこそ、家でも職場でもない「第三の居場所=サードプレイス」としてのサウナを目指すことにしたのです。
サウナの中に言葉があふれる
実際に「hyva sauna」を運営してみて感じたのは、サウナの中に“言葉”があふれているということ。
サウナの魅力を語る人。
ふだん言えない思いをふと口にする人。
新しいアイデアや夢を語りはじめる人。
サウナの熱と静けさが心と身体を解放し、まるで言葉のスイッチが入ったかのように、自然な会話が生まれていきます。
私たちはこうした体験を「コミュニケーション・サウナ」という新たな楽しみ方として提案しています。
ただ黙って過ごすのではなく、心と心を通わせる時間を共有する場所。
サウナが、言葉と感情の交流を育む空間になっていることを日々感じています。
お客様一人ひとりのストーリーに耳を傾け、時には言葉を交わしながら、つながりが生まれていく——
それが、「hyva sauna」の大きな魅力であり、私たちが大切にしていることです。
地元と移住者をつなぐ場所へ
オープンしてからは、地元のお客様に加え、県外から移住された方々も多く訪れてくださるようになりました。
気がつけば、「hyva sauna」は地元に根ざした人々と、新しくこの地域に来た人々が交わる交流の場となっていたのです。
移住者の方々は、当然ながら最初から多くの知り合いがいるわけではありません。
だからこそ、新しい土地で出会う新しい縁を大切にされています。
そのつながりのきっかけのひとつに、私たちのサウナがなれることは本当に嬉しく、誇らしいことだと感じています。
サウナが育んだ、仲間たちのつながり
こうしたつながりの広がりから誕生したのが、「信州サウナ同盟」です。
地域の仲間たちとともに立ち上げたこのコミュニティは、いまでは100名を超えるサウナ仲間が集う場にまで成長しました。
みんなでサウナイベントを企画したり、長野の自然を活かしてサウナを楽しめるよう行政と対話したり。
なかには、県外から移住してきたメンバーも多く、彼らが持ち込んでくれる新鮮な視点やアイデアに日々刺激を受けています。
地元の人だけでは気づけなかったことが、外から来た人の一言で形になる——そんな瞬間もたくさん生まれています。
「居場所」をつくるということ
「サウナが人をつなぎ、地域を元気にする」
そんな思いを胸に、私は「上田をサウナの街に」というビジョンを掲げて日々活動を続けています。
最近では「Well-being(ウェルビーイング)」という言葉を耳にする機会が増えました。
ある調査では、人の幸福度は「自分にとっての居場所の数」に比例するとも言われているそうです。
移住という選択は、自分の人生をより豊かにするための大きな一歩。
それは、まさに“新しい居場所”をつくることでもあります。
「hyva sauna」が、その居場所のひとつとして皆さんの人生にそっと寄り添えたら——
それが、私たちの心からの願いです。