上田市丸子で腸活!?(サポーター:アズサさん)

私たち夫婦が上田市丸子へ移住したのは、2022年の8月末。周りを田んぼに囲まれたアパートで、窓から外を眺めると青々とした稲穂が揺れていた。家中の窓を開けて爽やかな風を楽しむ日々が始まった。

9月に入り、想定外の事態が起きた。過去最もひどい秋の花粉症が発症したのだ。黄金色の稲穂が重そうに首を垂れて揺れるのを横目に、家中の窓を閉めて鬱々とやり過ごす日々となった。

こんなことを書くと、移住が失敗だったと思われるかもしれないが、そんなことはない。上田市丸子への移住で得た一番のメリットは、食生活の変化である。季節ごとの果物や野菜がとにかく美味しいのだ。仕事で知り合った方から野菜をいただくことも多かったが、我が家のもっぱらの仕入れ先は、近所にある農産物直売所の「あさつゆ」。樹上完熟させた、糖度30度のシャインマスカット。これまで食べた中で最も味の濃かったトマト。こんがり焼いてもなお瑞々しいナス。煮ても焼いてもトロリと甘いネギ。何を食べても美味しい。そして安い(これも重要!)。食生活の豊かさは、移住前とは比べ物にならなかった。

その年の冬、以前から「あさつゆ」で気になっていた玄米を購入して、白米の代わりに食べてみた。すると、これが大ヒット!夫婦そろって、味も食感も気に入ってしまった。体に良いから、ではなく、美味しいから、で我が家の主食の座を射止めたのだ。「あさつゆ」で売られているお米の多くが、お天道様の陽をいっぱいに浴びて、昔ながらの方法で乾燥させた、はぜかけ米。晴天率の高さを誇る上田市ならではの天の恵みである。優しく、深く、豊かな旨みいっぱいの、天の恵みである。

毎日の主食が白米から玄米に代わって春、夏、が過ぎ、黄金色の稲穂が揺れる季節が再びやってきた。上田市丸子での2度目の秋である。恐るべき秋である。ところがなぜか、9月になっても10月になっても、花粉症の症状がほとんど出ない。翌年2024年の春。夫も例年、春は花粉症を発症するのだが、桜の時期を過ぎても夫婦そろって症状が出ない。「今年は飛散量が少ないのか?」いやいや、周りの方々は鼻をグズグズしているのである。

夫婦そろって急に体質が変わった…?となると、「主食を白米から玄米に替えたこと」くらいしか思い当たる節がなかった。これはもしや、いわゆる腸活か!?だとしたら、なんて美味しい腸活だろう。健康のためでもなく、ダイエットのためでもなく、ただ美味しくて継続した結果だとしたら、あまりにも嬉しい想定外と言える。もちろん、私は医者でも専門家でもないので断定はできないが、夫婦そろって急に花粉症を克服だなんて、他に原因が思い浮かばないのだ。実際、玄米を食べ始めてから夫婦そろってお通じが良くなったから、体に良いことは間違いない。

食べたものが、人を作る。上田市丸子で生きるということは、毎日「美味しいね。嬉しいね。」と夫婦で食卓を囲むことであり、そこにこそ、私たちを作る源がある。食生活の豊かさは、そのまま人生の豊かさとなり得るのだと、実感する日々である。

窓から見える、青々とした稲穂と夕日