空き家を活かして地域で暮らす、を考える(サポーター:まりのさん)

皆さんこんにちは。サポーターのまとうまりのです。朝晩のみならず日中もすっかり寒くなり、雪の気配がどんどん濃くなる12月。いかがお過ごしでしょうか。今年は何を書こうかなと思いながら、最近特に力を入れている空き家関連の事業より「空き家を活かして地域で暮らす」を考えてみようかなと思います。

総務省が実施する「住宅・土地統計調査」によれば、2023年10月1日現在の全国の空き家率は13.8%。これは過去最高の数字で、空き家の数は900万戸。前回の2018年の調査に比べ、51万戸増加しているそうです。私たちが暮らす長野県はどうかというと、こちらは全国で6番目に高い20%(2023年10月時点)とのこと。これってどうやら、5戸に1戸が空き家という状況のようです。

そんなに空いていてはもったいないし、家の近くに荒れてしまった空き家があるのは嬉しくない。景観的にも衛生的にも、倒壊の危険や大きな蜂の巣がついてしまうなんていう安全面も気になります。「ならば楽しく活かしてみよう」というのが、私が関わっている「株式会社ゆたかな暮らしの仲介舎」と「まわり不動産株式会社」の2社のはじまりです。

どちらも地域の仲間と立ち上げた会社で、ゆたかな暮らしの仲介舎(通称:ゆたくら)は上田市真田町を拠点に東信エリアの空き家活用を、まわり不動産は上田市中央に事務所を構えて真田町や長和町など「まわり」のエリアにある不動産の仲介を、それぞれ進めていこうとしています。

例えば、ゆたくらが利活用の例として運営しているのが、真田エリアにあるシェアハウス「あらいのいえ」と古民家交流拠点「さんかくのいえ」です。活動のスタートは、どちらも2019年。声をかけていただいたり、街歩きをして見つけたりした物件の交渉をして、条件をまとめ、片付けたりDIYをしたりしながら「使える空き家」として徐々に人の流れを生み出してきました。

現在シェアハウスの方は、女性限定で、数名の入居者と工房として場を使う方とが入ってくださっています。大々的な広告はしていませんが、ゆるゆると縁を繋いでいただき、入居者がゼロになったことはありません。勤務先が定まらなくて一般の物件が借りにくかったり、単身用のアパートでは置ききれない荷物があったり、引っ越してくる理由はさまざまですが、基本的には柔軟に、気の合う仲間を募集するスタイルで入居者を選定しています。

もうひとつ、さんかくのいえでは、2023年からレンタルキッチンと菓子製造工房をスタートしました。こちらもお料理教室を組み合わせたワークショップの企画や、パンやお菓子など得意を活かして起業をする皆さんに多く活用いただいています。

空き家には、住む以外にもいろんな「楽しさ」がある。そんな想いに引っ張られるように集まってくる素敵な人と物件を、うまく繋げられないかと思って動いているのが、まわり不動産株式会社。賃貸借や売買、古材のアップサイクルやその後の活用など、上田市郊外のエリアを中心に、まるっと寄り添えるような存在でありたいと思っています。

2025年はどんな仲間が増えるのでしょうか。また今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。興味があればぜひ、ふらりと遊びにお出かけください。

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 ゆたかな暮らしの仲介舎(まにまに/もくぞう)