3ヶ月に一度開催、古いモノと素敵なモノが集まる市場『 261(にーろく市)』

文:サポーター宮嶋さん

こんにちは、サポーターの宮嶋です。
私が仲間と開催しているマーケットイベント『 261(にーろく市)』についてご紹介します。

古いモノと素敵なモノが集まる市場

『 261(にーろく市)』は3ヶ月に一度、3の倍数月の最初の土日に開催しています。

上田駅から徒歩10分ほどの「26bldg.(ニィロクビルヂング)」をメイン会場に、レトロな裏通りと古くて味のある建物を活用し、古道具・古着・古本・クラフト・美味しいものなどを集めて開催する蚤の市イベントです。2020年12月にスタートし昨年12月で5年目を迎えました。

少しずつ規模も大きくなり、直近で2024年12月に開催した第16回目では、17会場に2日間で54店舗が集まりました。お客様はMAPを片手に、レトロな裏通りを会場から会場へと行き交います。じっくり古道具を選んだり、美味しいモノを堪能したり、古い建物や通りを懐かんだり、出店者や知人と会話したりと、楽しみ方もさまざまです。なかには毎回かかさず来てくださる方や261にあわせて旅行に来てくださる方も。「上田、いいまちですね」「楽しい、いいイベントですね」と嬉しいお声も頂きます。正確に数えられないのですが、毎回延べ2000人以上の来場があるかと思います。

▲2024年12月7-8日開催時のMAP
▲12月の様子 とても寒い日でしたが賑わいました。

メイン会場「26bldg」について

『261(にーろく市)』という名前はメイン会場であり、私が所属する石井工務店が管理運営する建物「26bldg(ニイロクビルヂング)」から名づけました。

【街なかの古い建物をただ壊すのではなく、上手に手を入れて、街で何かを始めたい人に引き継ぎたい】
そんな想いで、空き家利活用の「まちの拠点」として2017年にオープンした建物です。

 長年空き家でしたが、関東に住む大家さんを口説いてお借りし、ゴミの片づけや一部改修工事からスタートしました。昔は近所の元銭湯「竹乃湯」の倉庫として使われていたことから、銭湯(26 ふろ)にちなんで「26bldg」としました。

 当初はイベント会場として使っていましたが、縁あって現在は1階に「古道具にろく」がオープン。空き家から引き取らせて頂いた古い物を手入れし販売しています。2階にはデザイン事務所とパン屋「HITOMA」が入居し、ツタが目印、パンの良い香りのする生き生きした建物になりました。

▲空き家だった26bldg 室内は不用品の山でした。

▲現在1階は古道具屋、2階にはパン屋とデザイン事務所が入居

象徴的なツタは秋には真っ赤に紅葉します 

コロナ禍で 261スタート

2019年からコロナ禍に突入し、イベントはもちろん、人に会うことも控えて約1年。「何か楽しくなるような事をやりたいね」 2階に入居するデザイン会社のスタッフとのお茶飲み話から261は始まりました。同じく古道具好きの2人が加わり、それぞれ得意分野を活かし、現在は4人で運営しています。 2020年12月の第1回目。会場は26bldgの1か所のみ、出店者はたったの7店舗でした。ところが予想以上に人が来てくださって、会場を増やすことになり、徐々に空き家や空きスペースを取り入れて現在に至ります。レトロな看板やノスタルジックな雰囲気が残っているこの通りは古い物とよく合います。2012年に廃業した元銭湯「竹乃湯」は今でも時が止まったかのようにそのまま残っていて空間も楽しめる261を象徴する会場です。現在では駐車場の軒下や大手門公園などの空きスペースも会場として使っています。

▲ノスタルジックな空間の竹乃湯

261の楽しさ

会場や出店者も増え、毎回準備や企画もなかなか大変ですが、それ以上にたくさんの方に喜んで頂けることが何よりです。

以前、とある県外からのお客様にこんな感想を頂きました。
「イベントというよりいい日常をつくっている、きばっていない、誰も排除しない雰囲気で、老若男女みんな楽しんでいる」

ほかにもこんな感想を頂きます。

  • 古いモノをコンセプトにしているので幅広い年代が楽しめる。親子3世代でもOK。
  • 会場が点々とあり、入口出口がなく、参加者は好きなように会場をまわり、ふらっと立ち寄りふらっと退出できる。イベントに行くという感覚よりは散歩に近い。
  • 街なかの他のお店も一緒に楽しめる。普段入ったことない場所やお店にも足を延ばせる。
  • 春夏秋冬の上田の街並みを感じられる、新しい発見がある。
  • 3ヶ月に1度、顔見知りの誰かに気軽に出会える、通りすがる。
  • お気に入りの出店者さんと定期的に会える。
  • 出店者が会場をうまく使っていて空間、建物の使い方や発見と驚きがある。
▲会場は軒下や空きスペースも使っています。

まちの賑わいへの仕掛け

261を開催しているこの通り周辺はまさに私の地元です。学生時代は何気なく通っていましたが、昔あったお店や建物、商店街の記憶や思い出も詰まっています。

私自身、県外でお店をつくる仕事に約10年携わり、ひとつのお店ができることで街や人の流れが変化する様子を間近で見てきました。その経験も活かして上田の街なかの賑わいに貢献したいと考えUターン、現在に至ります。26bldgをスタートし、様々なイベントや「空き家見学会」の開催など、街なかの遊休不動産を新たな人につなぐ仕掛けを始めました。‘ 裏通りから上田を楽しく ’というコンセプトでマッチングに力をいれています。

261では実店舗の出店もありますが、そのうちいくつかは空き家をマッチングしたお店です。小さな点が増えて線、面になり楽しいエリアになっていくというのが少しずつ形になってきました。今後も裏通りでの261もできる限り続けながら、上田のまちと建物、新たな人をつないでいければと考えています。

▲定期的に開催していた空き家見学会を通じて マッチングした店舗も増えている

次回は3月1日(土)、2日(日)。上田城跡整備の一環として進んでいる「(仮)大手門まちかどテラス」の広場計画地も会場として使わせて頂く予定です。
移住を検討されている方には上田への訪問や出会いのきっかけとして、ぜひ一度訪れて頂けたら嬉しいです。

▲こんな広場があったらいいなという妄想スケッチを描きました

ぜひこちらも御覧ください。
●261(にーろく市)や空き家利活用・リノベーションについて
【26bldg 】<外部リンク>
●古道具について (引き取りや買い取りも行っています)
【古道具にろく】<外部リンク>