移住のハードル、住まい探し。

文:サポーターいつかさん

暮らしの拠点をどうするか。
今回は、普段上田市を中心に物件探しのお手伝いをさせていただいている立場から、上田市での住まい探しを検討されている、賃貸物件をお探しの方、物件購入を視野に検索している方へ向け、いくつか情報をお届けしたいと思います。
上田市で流通している不動産を、この一年みてきた中で、令和6年時点での物件状況を、価格を中心にお伝えできればと思います。

◆賃貸物件◆

上田市内の賃貸物件、入退去のピークは1月~3月頃です。
上田市の賃貸住宅の空室率は30パーセント超といわれておりますので、全国平均(22.7%)よりも高い数値です。
アパートは単身用から世帯用まで、約3万円~12万円の物件情報が多く出ています。
価格は間取りや設備、立地、築年数によるところ。
実際どんな物件が流通しているかは、検索サイト掲載の物件情報から希望の条件を選択して知ることができます。

検索サイトの一例です。
ハトマークサイト<外部リンク>
ココスマ上田<外部リンク>
アットホーム<外部リンク>
スーモ<外部リンク>

ペット可のアパートとなるとどうしても数が減ってしまいますし、飼育環境を考慮してペットと住める戸建ての賃貸を検討される方も多いかと思います。

戸建ての賃貸物件数は少ないですが、約4万~14万円ほどで見受けられます。
築浅の戸建て物件はあまり出てこないので、住宅の性能を考えると冬の寒さ対策が必要になってくる可能性があります。
また契約期間が定期借家契約の場合もありますので、普通借家契約との違いに注意が必要です。

マンションは中心部エリアに集中していますが、賃貸は稀少です。
実際、賃貸情報が出ていたものは約12万円~16万円ほどです。

ウイークリー・マンスリーは滞在用の物件も多くはありませんが、日額2,000円~3,000円で所在しています。(どうしても割高にはなってしまいます。)
最近は家賃保証サービスを利用することが条件の賃貸物件がほとんどです。
入居希望者の審査が必要となりますので、条件をよくご確認いただいて時間と費用を見積もった方がよいでしょう。

◆売買物件◆

物件の購入となりますと、
土地の価格はその条件、用途や周辺環境、形状などにより変動しますが、市内中心部では坪25万~30万円くらい、郊外で12万円~18万円ほどのお取引が多いかと思います。
畑などの農地を取得する際には、農地転用の許可手続きが必要となりますので、要件を具備したうえで、その時間と費用も考慮しなくてはなりません。

新築住宅を建てる場合、建物は、どのメーカーで建てるのか、どこまでの性能を求めるのかで価格は大きく変わります。
本当に参考までですが、ローコスト住宅といわれるメーカーさんの建売販売住宅を例にすると2300万円~3000万円ほどで流通しています。
注文住宅となれば4000万円以上が目安になるかと思います。

中古住宅は、現状そのままの物件や買取再販業者によるリフォーム済み物件があります。
空き家バンクに登録されている物件は、昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた家屋が多く、ほとんどが空き家になって数年経過したものです。
相続が発生した空き家は特に、設備機器が使えない、または使えるかどうか分からないという場合が多いです。
以前、長野県内でも「100円空き家」が話題になりましたが、あまりに安い物件というのは、解体費用や処分費用が価格に反映されていて、「もろもろ含めた土地代だな」という価格になっています。
価格の安い物件は、安価なりに手をかけてあげる必要があります。
実際、該当物件にお問い合わせいただいた際には、
「リフォーム済中古物件が1300万円~2500万円で市場に出ていますので、少なくともそれに近い費用がかかると考えた方がいいですよ」とお話ししています。
買取再販物件は標準化された最低限のリフォームでお手頃価格ではありますが、断熱改修や耐震工事などは施されておらず性能面では劣ってしまいます。
新築住宅と同様にどこまでの性能を求めるのかで価格は大きく変わりますので、ランニングコストも考慮して資金計画することが大切です。

大規模リフォーム
工事後

不動産界隈も例外なく物価高騰の影響を受けており、資材の高騰は続いていて土地の造成費用も建築費用も年々上がっております。
具体的な費用は、希望する住宅の仕様や設備、デザイン、敷地条件によって異なりますので、複数のメーカーに相談するなど比較検討をおすすめいたします。

先にご紹介した通り、物件探しはネットでできる時代になりました。
希望に見合う条件の物件が見つかったら問合せをして、内見をしてといった流れです。
(空き家バンクは行政が窓口となりますので、こちらも参考にしてください)
上田市 空き家バンク<外部リンク> 

今は、Web上で360度カメラの画像や、VRでお部屋の状況を確認できたりしますが、
時間の余裕がなかったり、入居中で都合がつかないなど、見学できない理由がない限り、実際訪ねて見て確認されることをおすすめいたします。
築年数や間取りなどで老朽化具合も想像いただけると思いますが、
案外写真だと良く見えてしまうこともあり、実物は
「思いのほか(古いですね)(修理が必要ですね)…」という感想をお聞きすることがよくあります。
また、どうしても画面からはお伝え出来ない、音・におい・日照・通風などは、他人の許容範囲はあてにできないので自身の五感で確認しておきたいですね。

さて、今回ご紹介した情報も、これにて古い情報となってしまいます。
実際にはそれぞれに個性をもった物件ですので、詳しい情報はお問い合わせの上ご確認ください。

不動産のご相談について、不動産業者を検索される場合はご参考ください。
宅建協会上田支部<外部リンク>