持続可能な心地よい移住生活に向けて

文:サポーターるこさん

2020年10月、上田市地域おこし協力隊 婚活・結婚支援担当としての着任に伴い、念願だった上田市への移住が実現しました。2023年9月に任期を満了し退任、上田の移住生活は第二章へ。現在は上田市内の会社に勤務しています。「うえだ移住テラス・特集記事」には2回に渡り移住への思いや上田の推しポイント、愛犬との生活について記させていただきました。第3弾となる今回は、心地よく暮らし続けるために個人的に感じている大切なこと…「住まい」「仕事」にフォーカスします。

地域性と自分に合った住環境を整える

先ずは住環境。生活の拠点となる住まいの大切さは身を持って感じていています。現在は築53年の平屋の戸建て住まいです。大型犬と共に暮らせる数少ない賃貸物件に出会えたことは本当に有難いことです。ご近所の皆さんも温かい方々で安心して過ごせています。築年数、戸建て、集合住宅、地域(標高、山沿いの地、市街地)によって差はありますが、年間を通じて寒さを感じる期間が一番長い気候であるので、自分自身の耐寒性と住まいの装備面は意識を向けたい点です。個人的には「冬の乗り切り方が上田移住のポイント」だと感じています。

友人の一人が集合住宅から戸建てに引っ越すタイミングで、床と壁等に断熱材を入れ、窓にはペアガラスを取り入れるリノベーションをされていました。工事完了後、真冬に友人宅に伺った際、保温の持続性に驚きました。我が家はそうした寒冷地仕様の装備はありませんが、ホームセンターで入手できる保温アイテムを駆使して対策を講じています。一番効果を感じた対策は窓の保温でした。

何度来ても、最高の場所  太郎山山頂から望む上田市

寒さを楽しむモチベーション

「寒さによる精神面への影響」は少なからずあり、どうしても心も身体もぎゅっと固まりがちになります。部屋の保温性を高める等の物理的なこと以外に、家族や友人との繋がり、鍋パーティーや焚き火会等の寒い時期だからこそのイベント、憧れの薪ストーブのある場に赴く、温泉へ行くことなど自分にとっての「あったかポイント」が越冬の支えになっています。

車の冬仕様も大切

長野県の中でも東信エリアに絞って移住を考えた理由は降雪量の少なさです。過去に冬、雪深くなる都市での暮らしを二か所経験しており、降雪量は重要視していました。とは言えワンシーズンで数回は雪かきが必要な程の積雪はあります。上田市内、車がなくても電車やバスでの生活が可能な場所もありますが、私の住む地域・ライフスタイルで車は欠かせない存在です。毎年12月にはスタッドレスタイヤに履き替えています。「冬タイヤ問題」はコストや作業面でも冬暮らしの中で重要事項になっています。

同じ情景は二度となく、その瞬間の尊さを感じます(武石地域)

私の移住生活を照らす 上田の四季の美しさ 

その年により5月でもストーブが必要な気温の時もありますが、毎年3月上旬、二十四節気「啓蟄」の頃になると春の兆しを微かにでも感じられるようになります。移住後、暦と自然のサイクルの合致にも興味を持つようになりました。梅やスイセンなど、白い花の開花の頃に空気の緩まりが始まり、次第に色彩が増え華やかな季節を迎えます。新緑の時期は、上田の真っ青な空と生命力たぎる里山の風景に上田暮らしへの喜びを感じます。時期的にはとても短い初夏・新緑シーズンですが、私にとっては最強の充電期間です。秋の紅葉シーズン、錦秋に染まる上田もぜひ体感していただきたいです。紅葉の名所はいくつもありますが、私の一番のおすすめは里山全体、圧倒的な美しさです

美しい四季のコントラストを身近に感じながら生活できること…上田で暮らし続けたい理由の一つです。

日常の何気ない景色に癒されます(塩田地域)

暮らしたい場所で、ありたい自分を生きる 

他県、都内から上田市や近郊地域に移住してきた方との出会いは様々な場面であり、仕事について話題になる事も多いです。東京で生活していたけれど、フルリモートでの仕事が可能なため自然豊かな環境へと引っ越して来た方。新幹線を利用して上田と東京を行き来し2拠点で働いている方。信州の自然と文化に惚れ込んで移住しオンラインでの仕事に転職した方。上田でお店をオープンした方や地域おこし協力隊としての活動後に起業している方…キャリアも移住のきっかけも現在の職業も様々ですが、共通していることは一人ひとり、ありたい姿を持ち続けていて心に正直に暮らしていることでした。

愛犬エルと新緑の鹿教湯温泉へ  いつ来ても清流からの風が心地よいです

移住と仕事 orではなくand

生活の維持と仕事との関係は移住暮らしに限らず密接ですが、キャリアチェンジする方が多い移住暮らしにおいては特に顕著に感じています。暮らしたい場所で生活し続けること、今やれること、今はできなくても今後やりたいこと…自分に向き合う機会が多いです。

求人に関してはハローワーク、ポータルサイト等の表に出ている顕在情報と、ご縁があった方との繋がりを通じて出会う潜在情報があり、共にキャッチできるアンテナの感度を磨くことが大切だと感じています。「orではなくandで考える」という思考は移住生活においても可能性や枠を広げる視点だと思っています。そして、個々のありたい働き方をデザインできる環境が上田にはあると実感しています。

生活の基盤となる身を置く環境や仕事を自分の中で調和させながら、引き続き上田暮らしを楽しみたいです!

上田の夏はお祭りが多いです! 賑やかであつい季節
(写真は友人撮影)