センス・オブ・ワンダー ~原点は子どものころの記憶~(サポーター:加々美さん)
NPO法人やまぼうし自然学校 加々美貴代
◆転機は自然学校主催講座◆
大学の農学部では林学を専攻しました。卒業後は3年ほど東京原宿の造園会社で働き、東京から実家のある長野県に戻ってしばらくしたある日、新聞記事で自然学校が主催する「森林インストラクター養成講座」の存在を知りました。大学の恩師がこの森林インストラクター資格制度の立ち上げに関わり、学生時代に資格の存在を知っていたので機会があれば取得したいと考えていた資格でした。毎月1泊2日、年間で10回ほど、安曇野の実家から上田市菅平高原まで片道2時間かけて通いました。興味を同じくする皆さんとの交流も楽しみの一つでした。
自然学校事務局の皆さんは魅力的で精力的に森林のこと、子どものことに関する課題解決のために日々奔走していました。私はすっかりこの自然学校=やまぼうし自然学校のファンとなり、そして気がつけば受講の翌年から常勤職員第一号として働き始めていました。

◆やまぼうし自然学校とは◆
長野県菅平高原に本部拠点、上高地に白樺自然学校、首都圏に東京校を置き、2000年からNPO法人として活動を開始しました。本部のある菅平高原では修学旅行や林間学校、キャンプなど野外活動で訪れる年間約2万人の首都圏小中高生を受け入れています。時代が求める「自ら判断し行動する力」をテーマに、約30種類の自然体験プログラムを提供しています。
また地域の小学生を対象に「森でモリモリ遊び隊」、幼児と保護者を対象に「森あちょびクラブ」という仲間作りの場も提供。2025年現在、遊び隊卒業生も成人となり「自分で決め、行動する」ことのできる大人に成長していると自負しています。

◆上田の魅力◆
私の原点は幼少期の祖母との山村での体験です。その頃の体験は身体が覚えていて、今でも縄がなえたり、おやきが上手く作れたりします。上田は自然と暮らしの折り合いが良い地域です。人も自然の一部です。あって当たり前の自然は今となっては貴重で守るべきものへと変化してきています。
医学の父ヒポクラテスの言葉に「人は自然から遠ざかるほど病気になる」というものがあります。多くの方にその重要性が理解されることを願っています。また児童文学作家の石井桃子氏の言葉に『子どもたちよ』子ども時代をしっかりとたのしんで ください。おとなになってから老人に なってからあなたを 支えてくれるのは子ども時代の 「あなた」 です。というものがあります。
樹木は一度芽生えると、そこから移動することはできません。地球上の至る所でそれぞれが長きに渡り生息し続けています。それはなぜか?「変わることができたから」だと私は考えます。動けないなら自らが変化すれば良いのです。
沈黙の春の著者でもあるレイチェルカーソンの「センス・オブ・ワンダー」を合い言葉に誰もが幸せに感じる時間を上田で探してみませんか?
