【レポート】第10回うえだ移住テラス~talk  cafe~ ゲスト:かっちゃんさん

2023年8月5日(土)、上田市の移住交流サイト「うえだ移住テラス」の定期イベントとして「うえだ移住テラス~talk cafe~」が開催されました。

今回のゲストはかっちゃんさんです。

沖縄生まれ上田育ち。幼少期を沖縄で過ごした後に10歳で母の実家がある上田に移り住みました。上田の自然・文化に魅了され、大人になってご当地ヒーロー「六文戦士ウェイダー」をプロデュース。近年は上田の周囲に見える里山を歩いて動画を作成するのが趣味となっているかっちゃんさん。ウェイダーの誕生秘話や里山歩き、上田暮らしの魅力についてお聞きしました。

聞き手はAREC専務理事・センター長 岡田基幸です。

上田でテレビの映像制作のお仕事を17年、カメラマン、CM制作も行っていたかっちゃんさん。別の会社に移って以後、映像制作の活動は個人で行うようになったとのことです。その活動の一環としてご当地ヒーローを考え、アトラクションとしてイベントに招かれた際の様子を撮影、編集を行いSNSやYouTubeで発信されています。

――六文戦士ウェイダーはどのように設計、誕生したのですか?
(当日はウェイダーのグラフィック画像を画面共有いただきました)
上田の戦国武将、真田幸村をモチーフにデザインしました。赤い甲冑を着、鹿の角、六文銭が着いていて、ベルトに「Zuku」と書いてあります。「ズク」は長野県の方言でやる気や本気、モチベーションという意味です。この「ズク」をエネルギーにしています。
映像制作者としてCGも扱っていたので、最初に「こういうヒーローがいいな」とデザインしたものを友人に見てもらったら「いいね!やろう!」となり、実際にスーツを制作してウェイダーが誕生しました。
地元密着型、市民の手作りのヒーローがいてもいいのではないか」という趣旨のもと、活動は今年で10年になり、おかげさまで上田の中での認知度も高まりました。

――ウェイダー制作時に気を付けたことはありますか?
今時ではないデザイン、昔流行ったヒーローが好きだったので古いけど流行り廃りのないデザインを目指しました。立体的な作りにしたかったです。ゴーグル型の目ではなく、両目がちゃんとあることで子どもと目線を合わせやすいです。そして、能面と一緒でうつむいた時には凄みがあり、下から見ると柔らかい表情になります。見る角度で見え方、表情が異なることを気にして作りました。

――里山歩きを行っていると伺いましたが、きっかけや理由は何でしょうか?
コロナ禍前、地域で身近にある有名ではない神社に興味を持ち始め、行ってみたらととても興味深かったことがきっかけです。コロナ禍になり、人混みを避けるようなライフスタイルから益々そういったところに足を向けるようになりました。
(かっちゃんさんは里山歩きを楽しむようになったもう一つの理由として、任天堂スイッチの「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」をあげられ、動画での紹介を合わせてお話しいただきました)。
野山を冒険するゲームです。「敵を倒す」という目的だけではなく、あの山何だろう、あの島に行ってみよう等、気になった場所に自由に行くことができます。行った先で綺麗な景色に出会えたり、祠(ほこら)があったりと発見を楽しみます。ゼルダの伝説をきっかけに、現実でいつも見ている山に対しても「あの山登れるのかな」「あの山何だろう」と、日常の風景の見え方が変わってきました。
ガイドマップには載らない神社や里山をグーグルマップ上から情報を集め、写真や口コミを参考に行きます
上田市に暮らしていると30分から1時間くらいで絶景を見られる里山に行くことができます

迫力や絶景感を伝えるために、俯瞰した動画を撮影

写真では伝えきれない自然の迫力絶景感をどうすれば伝えられるかといろいろ考えました。結果的に、ドローンの追尾機能を使い、自分を景色の中に入れ俯瞰して撮影するというスタイルにたどり着きました。

ここまでのお話しは、グラフィック映像、ドローン、動画撮影と編集の技術等、デジタル中心でしたが、話題はアナログへ…。

――お守り的存在「信州山歩き地図(里山編) 著:中嶋豊」
中嶋豊氏が自身の山行記録を元に手描きイラストマップで案内する人気の登山ガイドです。危険個所や山道の具体的なルートや危険か所や岩の説明を記してくれています。
グーグルマップ上の山岳データにもワクワクするのですが、実際に現地に行くと出くわす状況は奥が深いですし、対応しないといけないことがたくさんありますが、こちらの本だと事前にかなり分かります。本を見てまたワクワクします。

――どのように山の情報を仕入れていますか?
一番は暮らしていて見える山の名前を調べて里山を再認識することです。行ってみたら楽しい!上田に住んでいる方こそ、わざわざ行こうとしないと思いますが、おすすめです。

――信州ならではの遊び方ですね!
そうですね、働き方もリモートワークが広がるなど状況の変化もあり、移住するにはすごく良いと思います。山々での遊び方も広がっています。もう他に住む理由がないんじゃないかと思います!

かっちゃんさんが実際に登った時の上田市の兎峰長和町の仏岩、青木村の子檀嶺岳(こまゆみだけ)を動画でご紹介いただきました。ドローンを使用する際のルールや報告関係、そして熊対策等、里山登山の準備や心得のお話しからも里山を思う気持ちと冒険感溢れる動画撮影、表現への熱量を感じました。

【参加者からのかっちゃんさんへの質問】

Q.六文戦士ウェイダーはかっちゃんさんお一人でデザインされたのですか?
A.上田のヒーローを考えた時に、赤い甲冑を着て、「ズク」がエネルギー、方言を使った悪者を登場させる等の設定は初期に決めていました。そしてSNS上で集まったプロジェクトチームからいろいろなアイデアがどんどん出てきて、肉付けされていきました。

Q.上田は車がなくても生活はできますか?
A.市街地で電車が利用できる範囲であれば生活はできると思いますが、不便だと思います。私のように野山に出かけるためには車が必要だと思います。

Q.上田で初心者でも登りやすい場所はどこですか?
A.上田の市民の山と言われている「太郎山」はルートもいくつかありますし、登っている人も多いのでおすすめです。あとは、あまり知られていませんが「千曲公園」です。車でも行くことができる崖の上の公園です。崖の脇の山道を上がり、15分くらいのトレッキングができます。

Q.上田で一番「ゼルダの伝説」っぽい場所はどこですか?
A.一番「異世界感」があると思った所は「兎峰」です。あとは山にある「風穴」ですね。上田は昔、養蚕が盛んだったことから1年を通じて出荷できるよう、蚕の卵の温度管理を風穴で行っていました。貯蔵庫の役割です。今は使われていないので遺跡感や異世界感がありますね。

かっちゃんさん、上田を舞台に、冒険感溢れるワクワクするお話しをありがとうございました!

次回のうえだ移住テラス~talk cafe~は2023年9月2日(土)開催予定です。

どうぞお楽しみに!